4月8〜10日(2泊3日)の日程で、沖縄県議会議員3人、市町村議会議員7人他の皆さんと共に、台湾を訪問しました。

 今回の台湾視察の目的は、1点目に「金門島を訪問し、中国大陸との最前線に位置するこの地域において、1)安全保障上の役割と活動状況、2)経済交流の状況について視察を行うこと」でありました。2点目には「政界や経済界における要人と会談し、意見交換を行うこと」、3点目には「閣僚や政府関係者と、沖縄と台湾に関する問題について協議を行うこと」でありました。

 

(1)金門島(きんもんとう)視察

 金門島は、宮古島とほぼ同規模の面積150平方キロメートルに、71,000人の県民が生活し、9,000人の軍人が駐留しています。2001年から、台湾と中国大陸の間の「直接通航、直接通郵、直接通商」を実現させる「三通」のテストケースとしての意味合いを持つ「小三通(しょうさんつう)」が実施され、金門島住民の大陸訪問が可能になりました。

 私たちは、金門防衛司令官が建てた大陸反攻のシンボルであるキョコウロウ(*1)、上陸用舟艇発着基地として作られた秘密の半地下水道であるカイザンコウドウ(*2)、中国大陸領土である島までわずか2,100メートルの馬山観測站(ばさんかんそくたん)を視察しました。これらの軍事施設跡地も現在は観光地化され、滞在中には、軍事的な緊張を感じることはほとんどありませんでした。

 また、台湾-中国大陸の交流の窓口である、金門〜厦門(あもい)間定期船ターミナルを見学しました。そのターミナルでは、1日に台湾の船3便、中国の船3便、合計6便が行き来し、一日1,500〜1,700人、年間50万人を超える人が利用しています。行き来できる人の条件は、金門島に住所のある人、中国大陸でビジネスを行っている人であり、簡易な手続きで、入境できるこの「小三通」制度は、年々利用客が増加しています。

*1)
*2)

<金門島定期船ターミナル> 
アモイへの切符を買う人々
金門県の職員より、説明を受ける。右側の船はアモイ行きの台湾籍の船。
<カイザンコウドウ>
水路(右側)に隣接して歩道(左側)が設置されている。光が差している向こう側は海に繋がっている。

 

(2)中琉文化経済協会 蔡雪泥(さい せつでい)理事長との懇談会

<中琉文化経済協会蔡雪泥理事長との記念写真>

 中琉文化経済協会とは、台湾における沖縄との窓口である財団です。この協会は、蔡理事長の個人資産を投資して、運営されております。このように、沖縄県第一号終身ウチナー民間大使である蔡理事長には、沖縄の政界、財界、そして民間の台湾・沖縄交流のために長年にわたってご尽力いただいております。

 沖縄への深い愛情、そして台湾・沖縄間の交流への情熱、取り組みやご苦労をお伺いして、私は言い尽くせないほどの感謝の気持ちでいっぱいになりました。私たちを温かく歓迎してくださった一方で、蔡理事長は、最近、台湾・沖縄間の観光客の減少や台湾わしたショップの閉店など、沖縄と台湾間の人の交流もビジネス交流も停滞していることにとても心を痛めておられました。私は、台湾・沖縄間の人の交流、ビジネスの交流の停滞の原因を検証し、現状を改善し、台湾・沖縄間の関係を活発化できるように、早急な対策が必要であると思います。また、蔡理事長は、夏休みに台湾の子どもたちを沖縄に派遣して、サマーキャンプを開催しておられます。私は交流促進の一環として、子供たちの交流、特に、台湾への修学旅行を積極的に呼びかけて行きたいと思います。そして、子どもの頃から一番近い外国である台湾と文化的交流を行うことによって、将来の沖縄・台湾の交流を担える人材を育てたいと考えております。

 

(3)江丙坤(こう へいこん)立法委員懇談会

<江丙坤先生と堅い握手>

 国民党副主席である江丙坤立法委員(衆議院に相当)は、元経済部部長(日本の経済産業相に相当)で、台湾きっての経済通であります。江先生は国民党の政策として、中国大陸との関係については「現状維持」の姿勢を説明されました。独立論を主張せず、中国大陸との統一の時期を具体的に設定するわけでもなく、「台湾の民主主義と自由経済を維持しながら大陸とは対立関係を明確化せずに、経済文化の交流を進めていきたい。」というものです。

 江先生からは、沖縄の地理的位置を利用して、1)日本、中国、台湾、韓国の経済関係者が参加する「アジアにおける経済協力のフォーラム」を商工会議所などに呼びかけて、沖縄が企画すること、2)台湾投資企業アジア連合会の大会を日本・台湾投資家連合会などと一緒になって、沖縄に誘致すること、を提案いただきました。ちなみに、東南アジアにおける台湾企業の投資額総計は、500億ドル規模であります。このような経済フォーラムを沖縄が主催すれば、アジアの中の沖縄という存在を示すことができます。それらの会議の開催については、政党「そうぞう」として、稲嶺県知事に提案したいと思います。

 

(4)総統府 陳唐山(とう ちんざん)秘書長表敬訪問

<総統府前での記念撮影>

 陳秘書長(官房長官に相当)は、台湾‐日本間のビザなし政策によって、人の行き来が増え、台日関係が良くなっていることを評価されておられました。また、台湾‐沖縄-中国大陸への航空路線の開拓も提案されておられました。陳秘書長のご提案のように、沖縄が台湾と中国大陸の掛け橋の役割を果たせるよう努力していきたいと思います。

 私たちは、「与那国島上空(東経123度以西)で設定されている台湾の防空識別圏を日本側に移すことを検討いただきたい」と要望しました。それに対して、陳秘書長からは「歴史的な背景があることなので、国防部と相談して、出来る限り解決できるようにしたい」との前向きな回答を頂きました。

 

(5)交通部民航局 張國政(ちょう こくせい)局長との協議

<張交通部民航局長との協議>

 私たちは、台湾-沖縄間の航空便増設の可能性について、交通部民航局張國政局長と意見交換を行いました。張局長からは、次のような提案を頂きました。

  1. 台湾側が、台湾(花蓮)-石垣間の定期航空便の新設を次の日台航空協議に提案する。
  2. 日台航空協議の枠外で、那覇-台湾間で中華航空(CI)以外に、台湾からの2社目の航空会社の参入を提案する。具体的な会社名は協議時、あるいは、協議後に話し合って決定する方法もある。
  3. 台湾-那覇-北京、台湾‐那覇‐上海という航空路線を開拓し、中国大陸と沖縄間の航空便を増やし、沖縄で乗り継ぎ出来れば、台湾‐沖縄便を利用するお客が増えるでしょう。
    ちなみに、現在、大都市の上海や北京に向けて乗り継ぐために、香港やマカオに台湾から乗り入れている航空便は1日70便以上あります。台湾から中国大陸への渡航者は年間400万人に上ります。台湾から北京や上海に入るときに、沖縄は、マカオや香港よりも地理的に便利であり、優位性があります。
  4. 日本アジア航空は、現在、那覇‐台北間の航空便を採算面の理由から運休しています。日本アジア航空の航空便の枠を中華航空に移し、増便する方法もあります。
  5. 台湾‐那覇間の航空便の増便や台湾-石垣の航空便の新設等は、短期的にはチャーター便を飛ばすことで対応できます。

 

(6)亜東関係協会 羅福全(らふくぜん)会長との意見交換

<亜東関係協会羅福全会長主催の昼食懇談会>

 亜東(あとう)関係協会とは、台湾における日本との窓口である財団です。羅福全会長は、日台間の交流の活発化に言及され、特に、世界保健機構(WHO)への台湾の参加に日本が支持を表明していることに対して感謝の意を示されました。また、日本と中国大陸との関係については、対立をする必要はなく、抑止力を見せることが大事であると、日中関係の改善を希望されておられました。中国大陸と台湾との関係については、「大事なことは、台湾の民主主義を維持することであり、『統一』、『独立』など、選択肢はいろいろあっても良い」との発言に、「統一か、独立か」という立場をはっきすることなく、現状を維持しながら、時間をかけて中国大陸との関係を構築したいという、党派を超えた台湾の方々の共通認識を確認することが出来ました。

 

 <懇談会後、羅会長との記念写真>

 

 本当に、今回の台湾視察は、大変充実したものでありました。

 全体的な感想は、沖縄には地理的、歴史的優位性から、アジアを舞台に政治的・経済的に飛躍できるチャンスが十分にあるということであります。そして、台湾と中国大陸の平和の掛け橋となる役割を担うことができるということを確信いたしました。

 そのためにも、マスコミから伝えられる情報のみに振り回されることなく、台中関係を十分に洞察した上で、沖縄が担うことが出来る政治的、経済的役割をしっかりと果たしていうことが求められております。沖縄の政治家の中には、「台湾と友好関係を深めることが、中国大陸との関係を損なう」と考えておられる方がいらっしゃるようですが、私たちは、今回の台湾訪問によって、それは誤解であると確信いたしました。台中間の交流、経済の結びつきは年々強化されており、台湾・中国大陸のそれぞれの立場を尊重しつつ、経済や人の交流を促進することが、台中間の緊張を緩和し、両岸(台湾・中国大陸)、そしてアジア地域に平和と繁栄をもたらすものであります。

  台湾における沖縄県のビジネス戦略も再検討し、ビジネスのあり方を見直すべきであります。アジアのマーケットに打って出るには、どのように顧客の満足を得ることができるのか、沖縄で行っているビジネス方法で通用するのか、絶えず顧客のニーズを分析し、アジアの人々に受け入れられるビジネスの方法を模索すべきであると考えます。そのためにも、台湾わしたショップが閉館する方針となっておりますが、沖縄県はショップを閉める前に、もう一度経営のあり方を見直し、再出発させるべきであると思います。



政党そうぞう 代表 下地ミキオ

 

 
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