III.政党「そうぞう」の提案と「中間報告」の検証

 

(1)兵力削減・移動

政党「そうぞう」案 中間報告
  1. 海兵隊削減 8,000人
  2. 海兵隊の大型火器訓練を5年以内にグァムやフィリピンに移動する。
  3. 嘉手納基地の第44戦闘中隊のグァムへの移転 2,000人

合計10,000人の削減

  1. 在沖海兵隊を海兵機動展開旅団に縮小する。
    約7,000人の海兵隊員をグァムなどに移転する。

 在沖米軍兵力の陸軍・海軍・空軍・海兵隊の総数は、平成15年9月現在で、26,282人です。そのうち、海兵隊の兵力総数は16,000人、全体の60.9%であります。

 第1の提案として、海兵隊の移転人数を中間報告の7,000人から更に1,000人増加させ、8,000人の海兵隊員をグァムに移転することを提案します。

 今回の中間報告において、海兵隊の本部機能をグァムへ移転するということは、大きな意味を持つものであります。これは、将来の海兵隊の更なる削減に繋がるものとして、高く評価できるものであります。

 第2の提案として、キャンプ・ハンセンやキャンプ・シュワブなどで行われている海兵隊の大型訓練、例えば、大型火器訓練、水陸両用車の訓練などを、5年以内にフィリピンやグァムに移動することを提案します。海外と沖縄間の高速艇の導入によって、在沖米海兵隊の実戦部隊は、毎年110回近く海外で演習を行っております。フィリピンやグァムにおける大型火器訓練等が定期化されれば、沖縄でのプレゼンスを維持しつつも、空間的に制約のある沖縄での訓練を減少させ、それに伴う危険性やトラブルを低下させることができます。仮に、沖縄における大型火器の訓練が減少したとしても、このスキームは、グァム、フィリピン、沖縄の軍事戦略上の役割とその協力関係を明確にすることで、安定的な安全保障環境を作り出し、日本の抑止力の維持、東アジアの安全保障のバランスを引き続き維持するものであります。

 第3の提案は、嘉手納基地の第44戦闘中隊をグァムに移設することであります。この移設により、嘉手納基地に駐留する空軍の2,000人を削減することが可能となります。この兵力の削減案は、事件・事故の防止や嘉手納基地の騒音の削減も実現できます。

 上記の3つの提案によって、実質的に沖縄県内米軍兵力を、計10,000人(38.0%)減少させることが可能となります。

 

(2)米軍施設・軍用地の返還

政党「そうぞう」案 中間報告
  1. 那覇軍港、キャンプキンザー、普天間基地、キャンプ瑞慶覧、キャンプ桑江の返還を実現する。

記)天久の返還地の面積は230ha。上記5返還地の合計面積は約2,135ha。約10倍規模の土地が返還されることになる。
  1. 嘉手納基地以南の人口密集地にある基地の返還

 米軍施設・軍用地の返還は、地域住民への危険の除去、沖縄経済の自立などの観点から必要不可欠な政策であります。これからの沖縄経済は、基地依存型の体質から脱皮し、米軍基地の跡地利用において、民間活力を伴った経済へダイナミックに変革していかなければなりません。また、有事法制の成立によって、有事の際には一般の空港・港湾が利用可能になったことで、基地を大規模に維持する必要が低下しました。また、軍事戦略上も、大型基地の維持よりも、即効性のある部隊の維持が軍事的な要求であり、軍事戦略的な変化に対応して、米軍基地の返還は十分に可能となってきました。

 特に上記に上げた5つの施設は、跡地利用が大きく期待できるものであり、那覇市の天久地区、北谷町の美浜地区を越える経済効果が期待できます。また、人口密集地の基地の返還は、危険の除去とともに、都市部の経済を活性化させ、沖縄全体の雇用創出を牽引することになるでしょう。

 

(3)嘉手納基地の騒音の軽減

政党「そうぞう」案 中間報告
  1. 第44戦闘中隊をグァムに移転する。
  2. 外来機の訓練を日本本土へ移転する。

記)この2つの項目の実現により、年間70,000回の離発着回数が35,000回以下になる。
  1. 嘉手納基地での訓練の一部を県外基地へ分散する。

 昭和57年に提訴された「嘉手納爆音訴訟」の一審・二審の判決、平成12年に提訴された「新嘉手納爆音訴訟」の一審判決は、いずれも米軍機の爆音の違法性を認めました。普天間基地の危険な状況に匹敵するほどの問題をこの嘉手納の騒音問題は抱えております。

  法治国家の日本において、司法が違法性を認める嘉手納基地の爆音問題については、政治が司法の判断を尊重し、国の安全保障政策に基づき、改善を図っていくことが早急な課題であると考えております。嘉手納基地に駐留する第44機戦闘中隊をグァムに移転することは実現可能であります。また、外来機の訓練を日本本土の基地へ分散させることも決して不可能なものではありません。そのことは、嘉手納町、沖縄市、北谷町周辺住民への騒音軽減に大きな役割をなすことになります。

 

(4)普天間基地移設

政党「そうぞう」案 中間報告
  1. 普天間基地の危険の除去は、最優先の課題であるため、普天間基地を即時閉鎖する。
  2. 普天間基地機能の嘉手納基地への暫定的な再編 
    普天間基地問題解決の第一段階として、嘉手納基地の第44戦闘機中隊をグァムに移駐し、外来機の訓練を県外に移転することで、嘉手納基地の負担を軽減しつつ、暫定的に普天間飛行場の機能の一部を嘉手納基地へ移す。
  3. キャンプ・シュワブ内でのヘリパット建設
    キャンプ・シュワブの敷地内に、海に触れないように300m×300mのヘリパットを建設し、建設後ヘリ56機を移駐する。
  4. 普天間基地の固定翼機3機は嘉手納基地へ移駐する。
  1. 辺野古沿岸案
    キャンプ・シュワブの海岸線の区域と、これに近接する大浦湾の水域に設置する。
    護岸を除いた滑走路及びオーバーランの長さは1,800m。格納庫、整備施設、燃料補給用の桟橋などは大浦湾内に同時に併設する。

 1996年に橋本・モンデール会談で、「普天間基地の移設」が決定してから9年10ヶ月が経過しました。昨年8月13日に、沖縄国際大学に米海兵隊ヘリが墜落するという大事故が発生し、普天間基地の危険を除去することは、最優先の政治課題であります。

 移設先の施設が完成する間、普天間基地の危険性を放置することは出来ません。そのため、(1)嘉手納空軍基地の第44戦闘中隊をグァムに移転させ、外来機の嘉手納基地使用を禁止することで、嘉手納基地の負担を軽減する。普天間基地の所属の固定翼KC-130・12機は岩国基地へ移駐する。(2)普天間基地の機能を嘉手納基地に暫定的に移設し、普天間基地を閉鎖する。(3)移設先として、キャンプ・シュワブの敷地内に、海に触れないように300m×300mのヘリパットを建設し、建設後、普天間基地所属のヘリ部隊(ヘリ56機)を移転する。(4)普天間基地の所属機(固定翼機3機)を嘉手納基地に移駐させる方法があります。

  普天間基地の所属機は、岩国基地へ固定翼機12機を移駐させると残りの固定翼機は作戦支援機3機であります。そのために、1,800mの滑走路を持つ飛行場が必要ということにはなりません。むしろ主力の航空機は、ヘリ部隊のヘリ56機でありますので、ヘリを移駐させるためには、ヘリパットで十分にその役割を果たすことが出来ます。
普天間基地の作戦支援機3機は、嘉手納基地で十分受け入れることが可能です。
沿岸案の滑走路は、長さ約1800mです。仮に、滑走路の幅を50mとすると、滑走路の表面積は、90,000uであります。一方、政党「そうぞう」が提案する、ヘリパットは、300m×300mであり、その表面積も90,000uです。このように面積的に見ても、ヘリパットは軍事的なニーズを十分満たせるものであります。さらに、このヘリパットの建設を行うことで、海を埋め立てずにすみ、環境問題もクリアーできます。

 

(5)日米地位協定改定

政党「そうぞう」案 中間報告
  1. 抜本的な日米地位協定改定に向けて、日米政府による公的な協議会を設置する。
  1. 日米地位協定の改定には一切言及していない。

 沖縄県民が、在沖米軍基地の負担を大きく実感することに、米軍人による事件・事故があります。事件によって損害を与えた場合には、被疑者の国籍を問わず、警察による公正かつ迅速な捜査が実施され、その捜査に基づいて、公正な裁判を行い、その損害を賠償し、罪を償わなければなりません。これは、法治国家としての基本であります。

 事故に関しては、公務内であったとしても、被害者を救済し、国家がその損害を賠償し、加害者はそれなりの社会的責任を問われなければならず、そして、そのプロセスは透明で、両国の国民の理解を得られるものでなければなりません。また、公務外であった場合にも、被害者を救済し、加害者は賠償を十分に行う必要があります。

 戦後60年間、在沖米軍の駐留以来、さまざまな事件・事故が発生しました。しかしながら、日本の警察権が十分に行使できなかったり、被害者が十分な補償を受けられなかったりするケースが多発していることから、在沖米軍に対して沖縄県民は不平等な関係にあると感じております。事件事故後の「軍事優先的な」不十分な対応は、在沖米軍に対して、ひいては、日米安全保障体制そのものに対するネガティブな印象を与える状況になっております。

  これらの根本をなすものが、日米地位協定であります。米軍占領下で結ばれた行政協定の問題点をそのまま引き続いて1960年に締結された日米地位協定は、行政協定締結当時の占領者と被占領者という米日の力関係を反映し、不平等な内容になっております。また、1960年以降制定された諸法は同協定に反映されていないため、人権保護や環境保全の面からも改定が望まれております。

 今回の米軍再編において、日米の安全保障協力が高まっている中で、安全保障体制を揺るぎないものにするためには、真に国民の理解と支援を得られる同盟関係に発展させることが不可欠であります。そして、国民の理解と支援を得るためには、日本国民の中で高まっている、不平等な日米地位協定を改定することであります。

 この日米地位協定の改定によって、在日米軍に対する不平等感がなくなることは、日米の未来を明るくするものであり、決して日米両国の間で溝をつくるものではありません。日本の裁判制度は、大きな進歩を遂げており、決してアメリカの裁判制度に劣るものではありません。昨今は陪審員制度導入など、様々な司法改革にも日本政府は取り組んでおります。取り調べ段階における弁護人の立会いに関する2カ国間の制度の違いはあるものの、両国間で丁寧に話し合っていくことで、納得できる制度づくりができると思います。

 日米間の安全保障協力が強化されている今回の在日米軍再編の機会を捕らえ、日米地位協定の改定に向けて、日米両政府で公的な協議機関の設置行うべきであります。

 

IV.経済政策の提言:「米軍基地返還で自立経済を」

V.自立経済に向けた政策案


VI.チャンス

 
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